麻布大学東京同窓会100年史 東京同窓会の生立ちと現状

明治38年全国同窓会発足後、東京在住の卒業生も多くなり大正3年(1914)須永孝三郎(第1回卒業生)らが中心となり東京支部を設立したが、当時から東京同窓会と称していて今日もこれが通称として残っている。

全国同窓会が結成されて以来代々この会長は東京同窓会の会長が兼ねる慣わしがあり深谷会長まで続いき常にその運営、発展に貢献してきた。この間本会の会員は獣医学科の卒業生が多くを占め、学術技術の研鑽の場において頼もしい限りであった。

総会においても多くの参加者により学術講演会も盛会であり、終了後の懇親会では旧交を暖め先輩後輩の交流を深めていた。また全国同窓会には会長ほか役員を送り、組織の強化、事業の拡大充実のため常に積極的に提言しその実現に努めた。一例として、文永堂書店の開所に尽力し、今の自販機や学生のコピーサービスを提案し進め、準会員のためになることを推進してきた。また、現在大学の2学部5学科の卒業生の参加協力を呼びかけ組織の充実を図っている。

しかしながら、最近、情報通信機器の発達により対面交流の機会が少なくなり加えて個人情報保護の立場から、会員の所在、動静の把握が困難となり会員の交流に大きな支障を来している。さらに会費の納入にも影響している。このことは、かつての本会隆盛の歴史から見れば極めて残念なことである。このため本会としては、あらゆる手段により会員の動静探索に努めほか組織活性化委員会を立ち上げ、組織の充実強化を図っている現状である。会員の一層のご理解とご協力を願ってやまない。明治38年全国同窓会発足後、」東京在住の卒業生も多くなり大正3年(1914)須永孝三郎(第1回卒業生)らが中心となり東京支部を設立したが、当時から東京同窓会と称していて今日もこれが通称として残っている。

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麻布大学東京同窓会100年史 麻布大学同窓会の発足

明治38年(1905)、麻布獣医学校第1回卒業生の須永孝三郎・小山田金六らが発起人となり、卒業生が100人余りに及んだため学友会を結成したのが現在の麻布大学同窓会の起源とされる。

その後全国に散らばった卒業生が地元に支部を作るようになった。大正3年(1914)麻布獣医学校同窓会と名称を変えながら、同窓生は団結して母校の発展に貢献し、「同窓生の麻布」と称されるほどであった。

そして全国どこに行っても麻布の卒業生が多く、先輩後輩の絆は強かったのである。戦後の混乱期には大学職員ともども苦難を乗り越え、同窓会の協力のもと今日の麻布を作ったのである。

平成の時代に入って従来の獣医学科卒業生中心の同窓会から、他学部他学科の卒業生も加わった組織になった。(現在は、2学部5学科)

この間同窓会の事業の充実を図りながら、大学の諸行事にも協力を惜しまなかった。創立100周年事業に際しては、8号館8階の大講堂を寄贈するなど全国の同窓生が募金に応ずるなど同窓会の塾意を示した。

同窓会事業としては、卒業生名簿を作成し、法人役員選挙に寄与するほか、卒業生のために奨学金賃与、自動販売機設置、コピー機設置などの諸事業を行う、また大学祭に参加し各支部の特産品の販売や動物相談など開設している。

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麻布大学東京同窓会100年史 理事長祝辞 〜麻布大学東京同窓会支部創立百周年にあたって〜

麻布獣医学園理事長
柏崎 直巳

麻布大学同窓会東京支部が創立百周年を迎えるにあたり心よりお慶び申し上げます。

私は先日、東京都港区南麻布2丁目の曹渓寺を訪ね、麻布獣医学園の年輪を深く感じてまいりました。このお寺の門前に 黒い御影石の碑があり、その碑には「麻布獣医学園発祥の地」と刻まれております。この地の私立慈育小学校(旧:東京市麻布区本村町)の一部を校舎として借り「東京獣医講習所」が明治23年(1890年)に開設され、全国から選抜推薦された獣医師に六か月間、解剖、生理、薬物、内科、外科、装蹄、病院実習、装蹄実習を教授したということです。その四半世紀後には、東京同窓会が創設されました。そして困難な時代を乗り越え、獣医学を中心とした応用生命科学関連学分野の教育・研究が展開され、1980年には麻布獣医科大学から麻布大学と名称変更し、2015年には創立125周年を迎えます。建学の精神は「学理の討究と誠実なる実践」で、これまでに多くの卒業生が社会で活躍しております。

今後も麻布獣医学園は、さらに年輪を重ねるべく、「地球共生系」を理念とし、研究および教育の発展と社会貢献をめざして、努力していく所存でございます。皆様方のさらなるご支援・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

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麻布大学東京同窓会100年史 会長挨拶

画像:東京支部会長
横尾 清文

麻布獣医学園発祥の地(100周年の時建てられた)の石碑を探してみました。せっかく東京に住む私ですし、麻布と言われるルーツとなるその地を知っておきたいと思いバイクを走らせました。昔の地図に出ていた麻布獣医畜産学校とある場所は、インターナショナルスクールになっていました。石碑はそこより奥に入った曹渓寺の道路沿いに有りました。

画像:石碑画像:曹渓寺
画像:石碑

港区教育委員会の麻布大にまつわる説明が書かれており、100周年記念事業で作られたことが右面に彫られ正面に麻布獣医学園発祥の地と有りました。ふと思えば、私が高校の頃、同級生がすぐこの辺に住んでおり良く出かけてきたものでした。その彼は、日本獣医畜産大学先に入り、私に獣医の道を教えてくれました。浪人後、私は麻布獣医科大学に入るのでしたが、今さらなんと奇遇であり、懐かしいことと思うのでありました。

東京同窓会も、100年をむかえることとなり先輩方の業績をつくづく感じるしだいです。私も昨年還暦を迎え少しは、周りを見る余裕が出てきた気がします。30代40代は生きることに精一杯でした。身近な方以外の同窓生との付き合いは、あまりなく、その分情報も少なかったと感じていました。ここ10年で年齢の離れた方たちとの付き合いが増え、母校を思う気持ちが大きくなりました。以前も、獣医で新聞に褒められないことで載ると、麻布関係じゃないといいがと、思ってみたり。麻布の先生がテレビに出れば、やったね!とよろこび、付属高校のクラブが強くなり試合に勝ったと報道されれば、友達に自慢する自分がいました。なんとなく母校に対する思いは、有ったのだと思います。同窓生のほとんどは、そのような気持ちを持っているのではないでしょうか。その気持ちを、世代を超えて、繋げていこうではありませんか。若い世代の同窓生たちを少し老いた同窓生がバックアップします。年齢幅の大きい仲間を持つことは、人生を豊かにし、また楽しいことか。私は、麻布学園に関係した方は、卒業生でなくとも、勤務されていたなら出身校が違っていても、仲間だと思っています。東京に住む方、お仕事で来られる方、どうか東京支部をお願いいたします。

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